革の裁断〜革漉き

職人にとってすでに身体の一部となっている大切な道具。これは革を裁断する革切り包丁です。

革漉き機はニッピ機械社製。ローラーで送られた革を丸刃によってスライスしていくだけですが、仕上がりは職人によって大きな差が生まれます。

MICで長年腕を振るってきた職人の小石健二さん。革の向きを変えながら、慣れた手付きで革を裁断していきます。

革の厚さや繊維の向きを見極める職人の腕が最も問われる第一工程

   意外と思われるかもしれませんが、小さな財布であっても使われるパーツは、大きな鞄よりもはるかに多いものとなります。そのため、作業の第一歩は財布を構成するパーツを切り出すことから始まります。革に型紙を合わせて、職人は専用の革包丁を迷いなくスッと引きます。簡単な作業に見えますが、革には繊維に方向性があるため、パーツによって裁断する向きを変えているのです(量産の際には抜き型を作製し、1枚ずつプレスで裁断します)。

   切り出したパーツは使用する部位に合わせて、革を薄く削る革漉きと呼ばれる作業が行われます。実はこの革漉きこそ職人の経験と腕がもっとも問われる工程で、革漉き専門の工房もある程難しい作業なのです。例えばヘリを薄くするために段を付けたり、緩やかに斜めに漉いたり、難しい調節を0.1mm単位で行っていきます。これは財布の完成品を見ただけではおそらく気付かない部分ですが、長く使えば使う程、その使い勝手の良さに現われてきます。

   革の繊維を見極め、見えない部分をミリ単位で削っていく。日本的な職人の拘りは普段見えない部分にこそ隠されているのです。

専用の革漉き機を使ってヘリを薄く削ってます。折り曲げる部分や重なる部分など部位に合わせてミリ単位で調節しています。

職人の物作り

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