vol.1モノづくりの現場を知るスタッフたち

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製造現場を知りつくしたスタッフが立つ売り場

製造メーカーの直営店というと、お店の中に職人がいてその場で製品づくりを行うようなショップをイメージされることが多いだろう。

しかしながらHawk Feathers日比谷OKUROJI店(以下HF日比谷店)の場合はそうしたイメージと少し異なる。
まず実際にほとんどの製品が作られる場所は、本社(東京都台東区東上野)の地下にある職人用作業スペースだ。そしてHF日比谷店に立っているのもいわゆる職人ではない。しかしながらただの販売員でもない、一般のショップとは一味違うスタッフがお客様を出迎える。

夏でも少しひんやりしそうな黒を基調とした外観の入り口を一歩中に入ると、スキンヘッドに帽子を被った朗らかな雰囲気の男性スタッフが出迎える。 HF日比谷店の店長、堀井は業界でも異色の経歴を持つ革好きの男性だ。

30代に差し掛かる頃、消防士から革財布メーカーに転職した堀井は、本社では営業として働いていた。そんな堀井が革と出会ったのは甲子園を目指し学生時代に熱中した野球のグローブ。

「ぼくは職人ではないけれども、ある意味職人より革が好きだと思う」

熱心な革好きを自任する堀井はHF日比谷店開店当初から店長だ。

堀井は自身が店長であるHF日比谷店について「2017年から会社がHFの財布を作り始めて、日比谷に店を出して4年。大きく広告を打ったりはしないけれど、まじめにコツコツやってきた製造メーカーがやっているお店ですよ。だから信頼していいですよと伝えたい」と話す。

「職人が個人でやっているお店というのとはまた違う。このお店の中で作っているという訳ではないけれど、製造メーカーである本社に行けば、ぼくの作業スペースのすぐ向かい、ぼくの目の前で職人が作業していることもある。ちょっと手を伸ばせばすぐ届く。職人とそんな距離感でやり取りしている人間が立っているお店」です。 そう話す堀井自身も時折ミシンを踏み、製造工程の手伝いをすることもある。

HF日比谷店は日本人のみならず外国人のお客様も多い。堀井自身英語は得意ではないけれども、お客様のために身振り交えながら商品について可能な限りの説明をする。お店を訪れていただいた際はぜひ気軽に声をかけてほしい。

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接客のプロではない。けど革小物のプロ。

堀井以外にもユニークな面々でお客様をお迎えしている。開店当初からずっと、土・日・祝日には、20年、30年と本社で営業職に就いている男性社員も代わる代わる店頭に立っている。一度定年退職をして再雇用で働いている社員に話を聞いた。

「よくお客さんから、今こういう財布を使っている。この部分がこんな風だったらいいんだけど、と声を掛けられる。全部は作れないけど、使いやすい財布がどんなものかってことで、アイデアや意見を気軽に話してもらえるようなお店であったらいいなと思う」。

 接客のプロではないけれど、その分、革や財布については地道に積み重ねた経験があるスタッフなので、ちょっとしたことでもぜひ気兼ねせず声をかけてもらいたい。製造メーカーの社員からリアルな話を聞けるのもメーカー直営ならでは。休日の午後をのんびり過ごせるお店だと思ってぜひ気軽に足を運んでいただければ幸いです。